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19世紀欧米の文化 哲学・社会科学

哲学社会科学
経済学歴史学歴史法学
ドイツ観念論カント(独)
フィヒテ(独)
シェリング(独)
ヘーゲル(独)
古典派経済学マルサス(英)
リカード(英)
ランケ(独)
ドロイゼン(独)
ギゾー(仏)
サヴィニー(独)
フォイエルバッハ(独)
マルクス(独)
コント(独)
歴史学派リスト(独)
経験論哲学ベンサム(英)
ジョン=ステュアート=ミル(英)
スペンサー(英)
キェルケゴール(デンマーク)
ショーペンハウエル(独)

哲学

ドイツ

合理論と経験論を統合・批判し、啓蒙主義思想の理性万能に懐疑の目をむけたイマヌエル=カント以降、19世紀のドイツ観念論は「ドイツ国民に告ぐ」によって愛国心の高揚をめざしたフィヒテ Fichte (1762〜1814)や、ドイツ・ロマン派哲学の代表者であるシェリング Scheling (1775〜1854)によって継承され、ヘーゲル Hegel (1770〜1831)が弁証法哲学 Dialektik を提唱するにおよんで完成した。弁証法哲学は人間の存在や思惟しいはその内部に絶えず矛盾をはらみながらも、それより高次な次元において統一され無限に発展するという考えであり、ヘーゲル死後その学派は分裂しながらも、左派を代表するフォイエルバッハ Feuerbach (1818〜83)の唯物論と結びついて、マルクスの弁証法唯物論に発展した。マルクス Marx (1818〜83)は哲学の分野ではこの弁証法的唯物論を、歴史学では資本主義社会の分析をおこなって唯物史観を、経済学では余剰価値学説を創始して、いわゆるマルクス主義 Marxism の体系を完成し、後世の社会主義運動に多大な影響を与えた。またドイツの観念論哲学者のショーペンハウエル Schopenhauer (1788〜1860)は、ペシミズム Pessimism (厭世主義えんせいしゅぎ)を展開してニーチェに影響を与え、デンマークのキェルケゴール Kierkegaard (1813〜55)は実存主義哲学を展開し、ドイツのニーチェ Nietzche (1844〜1900)は超人思想を説いた。またオーストリアのフロイト Freud (1856〜1939)は精神分析学を創始して、人間の深層心理の分析をおこなった。

イギリス

イギリスでは、資本主義の進展に対応してベンサム Bentham (1748〜1832)がでて「最大多数の最大幸福」を主張して功利主義 Utilitarianism を説き、当事者会の指導層として地位が確立しつつあったブルジョワ階級の支持をえた。さらにジョン=ステュアート=ミル John Stuart Mill (1806〜73)は功利主義を発展させ、女性の解放さえも主張した。

フランス

フランスではコント Comte (1798〜1857)が実証主義 Positivisme を唱えて現実の経験に知識の源泉を求め、社会学の創始者となった。こうした現実的傾向は進化論の影響をうけ、それを社会や歴史にも適用しようとしたハーバート=スペンサー Hervert Spencer (1820〜1903)にも影響を与えた。

社会科学

歴史学

ドイツ

歴史学の分野では、固定的な自然法思想にかわって、人間の事物の個性や変化・発展を重視するロマン主義の影響をうけ、ドイツを中心に歴史学が発展した。ランケ Ranke (1795〜1886)は史料の厳密な批判のうえに事実を確定し、それに基づく客観的・科学的歴史学を確立した。近代歴史学は彼によって始まるとされ、各国の歴史学者に影響を与え、19世紀は「歴史学の世紀」とよばれるまでになった。法学では各国民に固有な法が存在するとした歴史法学がサヴィニー Savigny (1779〜1861)によって創始され、

経済学

イギリス

経済学ではイギリスにおいてアダム=スミスの古典派経済学をうけてマルサス Malthus (1766〜1834)が『人口論』を著して貧困の原因について論じ、リカード Ricardo (1772〜1823)は『経済学および課税の原理』を著して労働価値学説・分配論・地代論を展開した。

ドイツ

これに対しドイツでは、遅れた段階にある後進国は国家による保護が必要としてリスト List (1789〜1846)が国民経済学を説き、ドイツ関税同盟の結成に努力した。ドイツではまた、経済法則を歴史法則のひとつとして理解する歴史学派経済学 Historishe Schule が生まれた。

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