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中世都市の成立と遠隔地商業
中世の商業地区-ハンザ同盟主要加盟都市地図 ©世界の歴史まっぷ

中世都市の成立と遠隔地商業

10〜11世紀頃から封建社会が安定し、荘園内の生産が増大すると人口は急速に増加し、開墾と移住がさかんに行われた。各地に余剰生産物の交換を行う定期市が開かれ、長く停滞していた商業が再び活況を呈した。ムスリム商人やヴァイキングの商業活動によって貨幣の使用が進み、商人たちは安全で交通の便利な場所に商人集落を形成して荘園内の手工業者などを吸収し、しだいに都市(中世都市)に発展した。、十字軍などの影響で遠方との交易路が開かれると、遠隔地商業が盛んとなった。地中海地域と北海・バルト海地域の二大商圏である。結ぶ内陸部にも都市が発達した。

中世都市の成立と遠隔地商業

ヨーロッパ世界の形成と発展
ヨーロッパ世界の形成と発展 ©世界の歴史まっぷ

10〜11世紀頃から封建社会が安定し、荘園内の生産が増大すると、西ヨーロッパ経済に新しい動きがみられるようになった。人口は急速に増加し、開墾と移住がさかんに行われた。また、各地に余剰生産物の交換を行う定期市が開かれ、長く停滞していた商業が再び活況を呈してきた。さらに、ムスリム商人やヴァイキングの商業活動によって貨幣の使用が進むと、商人たちの中には安全で交通の便利な場所に商人集落(ヴィク)を形成するものも現れた。それらは荘園内の手工業者などを吸収し、しだいに都市(中世都市)に発展した。

11〜12世紀にみられたこのような都市と商業の発達を、ベルギーの歴史家アンリ・ピレンヌは「商業の復活」(商業ルネサンス)と呼んだ。

ケルンやミラノといった古代以来のカトリック教会の司教座都市でも、商業の復活とともに商人集落が都市の外側に形成され、司教の保護下に反映し、やがてそれぞれの都市に統合されていった。

中世の商業地区-ハンザ同盟主要加盟都市地図
中世の商業地区-ハンザ同盟主要加盟都市地図 ©世界の歴史まっぷ
交易の範囲も、当初は都市と近郊農村との局地的なものであったが、十字軍などの影響で遠方との交易路が開かれると、遠隔地商業が盛んとなった。その中心をなしたのが、地中海地域北海・バルト海地域の二大商圏である。地中海では、イタリアのヴェネツィアジェノヴァピサなどの海港都市が、東方貿易(レヴァント貿易)により香辛料や絹織物といった価格差の大きい商品を輸入して利益をあげた。それにともない、内陸のミラノフィレンツェも毛織物業や金融業で栄えた。

他方、北海・バルト海方面では、北ドイツのリューベックハンブルクブレーメンやフランドル地方のアントウェルペン(アントワープ)・ブリュージュ・ガン、イングランドのロンドンブリストルなどが、木材・海産物・塩・毛皮・穀物・鉄・毛織物といった生活必需品の取引で栄えた。
また、地中海商圏と北海・バルト海商圏を結ぶ内陸部にも都市が発達した。特に、交通の要衝をなすフランスのシャンパーニュ地方では定期的に大市(シャンパーニュの大市)が開かれ、各国の産物が取引されてにぎわった。

ヴェネツィアの祭りの光景
ヨーロッパ世界の形成と発展 遠隔地商業
he Miracle of the Relic of the Cross at the Ponte di Rialto (ヴィットーレ・カルパッチョ画/Accademia of Venice 像) ©Public Domain

奥の木製の太鼓橋が有名なリアルト橋で、祭りの行列がちょうど渡っているところである。大運河には多くのゴンドラが浮かび、左手のロッジア(片側だけ壁のない廊下)に向かっている。ヴェネツィアの繁栄ぶりがうかがえる。

このほか、ドイツではライン河沿いのケルンマインツやドナウ川上流のニュルンベルクアウクスブルクミュンヘンが、フランスではセーヌ川沿いのパリルーアンやローヌ河谷のリヨン、ガロンヌ川下流のボルドーなどが繁栄した。

シャンパーニュの大市

シャンパーニュ地方は、ソーヌ・ロアールなどの河川が集まる内陸交通の要地であった。12〜13世紀には、この地方の4つの都市で定期的な大市が開かれるようになり、地元の商人や外国の商人が多数往来し1年中にぎわった。1月にラニー、3月にバール=シュル=オーブ、5月にプロヴァン、7月にトロワ、9月にプロヴァン、11月にトロワと年6回、それぞれ6〜7週間ずつ開催された。
それぞれ取引される商品には順序が定められていた。まず、「織物の市」、続いて「皮の市」、そして最後は「秤の市」であった。
「秤の市」とは目方や量で売り買いされる商品の市のことで、香料・染料・塩・砂糖・果物・油脂類・金属・木材など多種多様な商品が扱われた。また、使用される各国の貨幣を両替するために銀行業務が生まれるとともに、信用取引の制度も始まった。しかし、14世紀以降フランス国王による課税の強化や大西洋沿岸航路の発達にともない、次第に衰退した。

参考

launch 詳説世界史研究

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