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アジア諸地域の動揺

アジア諸地域の動揺 列強の中国分割
中国のケーキ(アンリ・マイヤー画/フランス国立図書館蔵/WIKIMEDIA COMMONS)©Public Domain

アジア諸地域の動揺

19世紀に入ると、産業革命を達成したヨーロッパ諸国は、アジア諸地域を安価な原料供給地・自国産工業製品の大市場として位置づけ、積極的な進出・侵略を推進した。軍事力で圧倒的な優位にたつヨーロッパ諸国の侵略と威嚇(砲艦外交)のまえに、アジア諸国は敗北と屈服を重ね、植民地化の道をたどっていった。

アジア諸地域の動揺

19世紀に入ると、産業革命を達成したヨーロッパ諸国は、アジア諸地域を安価な原料供給地および自国産工業製品の大市場として位置づけ、積極的な進出・侵略を推進していった。軍事力で圧倒的な優位にたつヨーロッパ諸国の侵略と威嚇(「砲艦外交」 gunboat diplomacy )のまえに、アジア諸国は敗北と屈服を重ね、植民地化の道をたどっていった。

オスマン帝国は17世紀以降、軍事・政治の両面で衰退が明らかとなり、ロシアやオーストリアの進出のまえに領土は縮小の一途たどった。19世紀に入ってからは、「東方問題」と呼ばれるオスマン帝国内の民族・宗教対立とこれに関連したヨーロッパ諸国の干渉がいよいよ激化し、同世紀末には、オスマン帝国は「瀕死の病人」と称されるにいたった。

インドでは、イギリスによる植民地化が着々と進行した。そして1857年の大反乱をへてムガル帝国は滅亡し、インドはイギリスの完全な植民地となった。

東南アジアでは、オランダ・イギリス・フランスによる植民地化が急速に進行し、わずかにタイのみが緩衝国として独立を保つにすぎぬ状況となった。

東アジアでは、18世紀後半以降衰退に向かいつつあった清朝が、イギリスを先頭とするヨーロッパ列強の進出の波に直面し、アヘン戦争やアロー戦争に敗北して、その中華思想的世界観に巨大な衝撃をうけるとともに、不平等条約を強制されて、しだいに半植民地の道をたどっていった。

このような状況をアジアの側からながめるならば、ヨーロッパ諸国の進出・侵略に対する抵抗と、ヨーロッパ文明の先進性を摂取しつつみずからの伝統的体制を変革し、それによって危機を克服しようとする苦闘こそが、アジア諸国の「近代」の内実にほかならない。エジプト・スーダン・イランなどでは、ヨーロッパの影響をうけながらも、イスラーム教を抵抗の原点にしようとする動きが現れ、ウラービー運動・マフディー運動・バーブ運動などの民族運動が展開された。

アジア諸地域の動揺
中国のケーキ(アンリ・マイヤー画/フランス国立図書館蔵/WIKIMEDIA COMMONS)©Public Domain

日清戦争終結から3年後、列強がこぞって中国を分割する様を描いています。この年、各国による租借、占領、割譲などが次々に行われました。図の左からイギリスのヴィクトリア女王、ドイツのヴィルヘルム2世(ドイツ皇帝) 、ロシアのニコライ2世、フランスの象徴である女性像マリアンヌ、そして日本を象徴するサムライ。背後には清国人がなすすべもなく手を上げています。 参考: おもしろい世界の風刺画 (OAK MOOK)

オスマン帝国では、西欧の技術や政治制度の導入による近代化革命(タンジマート)が試みられた。インドでは、1857年の大反乱に代表される、ヒンドゥー教徒を中心とした反英闘争が展開された。中国でも、太平天国という巨大な民族運動が展開される一方、西欧の技術・産業の導入による富国強兵政策(洋務運動)が推進された。しかし、これらの反乱や革命運動がすべて失敗・挫折という結果に終わったように、アジアの「近代」は、長く険しい苦悩の道のりであった。

年表

アジア諸地域の動揺

1757プラッシーの戦い(ムガル帝国)
1805ムハンマド=アリー、エジプト総督に就任(オスマン帝国)
1816英使節アマースト来航(清朝)
1821ギリシア独立戦争(〜29)(オスマン帝国)
1824第一次ビルマ戦争(〜26)
1828
トルコマンチャーイ条約(カージャール朝)
1839第二次エジプト=トルコ戦争(〜40)
1840アヘン戦争(〜42)(清朝)
1851太平天国(〜64)(清朝)
1853クリミア戦争(〜56)
1856アロー戦争(〜60)(清朝)
1857インド大反乱(〜58)
1858ムガル帝国滅亡(英の直接統治)
1862洋務運動始まる(清朝)
1869スエズ運河開通
1876
日朝修好条規
ミドハト憲法発布(オスマン帝国)
1877ロシア=トルコ戦争(〜78)(オスマン帝国)
インド帝国成立
1881ウラービーの反乱(〜82)(エジプト)
イリ条約(ロシア・清朝)
1884清仏戦争(〜85)
1887仏領インドシナ連邦成立
1894甲午農民戦争(朝鮮)
日清戦争(〜95)

参考

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