隊商
キャラバンの輸送 @Wikipedia
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隊商 (キャラバン)
商品の輸送中に盗賊団などの略奪、暴行などの危険から集団的に身を守り、商品の安全や保険のために、複数の商人や輸送を営む者が共同出資して契約を結ぶことによって組織された一団。トルキスタンのオアシス都市国家は隊商による中継貿易を経済的基盤にしていた。

隊商

内陸アジア世界の遍歴

遊牧民とオアシス民の活動

オアシス都市国家

隊商すなわちキャラバンは、普通十数頭から数十頭におよぶラクダを引き連れていた。これを管理して旅行するものは、数人から数十人である。
ラクダは、馬よりはるかに高価で、これに積んだ商品は貴重なものであったから、全体の価値は莫大で、しかも輸送中における危険度は最も高く、そのため隊商を組んでおこなわれた交易は、遊牧民が兼業できるものではなかった。
商売の駆け引き、金融・信用・危険保証などさまざまな要素をもち、それぞれの知識や組織を必要としたので、オアシス都市国家の大商人が取り仕切った。ラクダを扱うものも遊牧民ではなく、特殊な技能をもったオアシス民であり、隊商に従事したのもすべてオアシス民であった。
オアシス都市国家 – 世界の歴史まっぷ

シルク・ロードの十字路 サマルカンド

シルク・ロード オアシスの道(オアシス・ルート) 東西を結ぶ交通路 内陸アジアの風土と人々 内陸アジア世界の変遷 内陸アジアの風土地図
内陸アジアの風土地図 ©世界の歴史まっぷ

サマルカンドは、ザラフシャーン川流域に立地する砂漠のなかのオアシス都市である。
「緑のベルト」と称されるザラフシャーン川流域は、高度な灌漑技術によって開発された豊かな農業地帯であり、ブドウ・メロン・ザクロなどの果実や野菜類、小麦・綿花などが栽培され、それらは近隣のオアシス都市の市場(バザール)に運ばれ、都市民が製造した陶器や金属器、遊牧民が持ち込む絨毯や革製品などと取引された。
中国・イラン・インド・草原地帯という東西南北の隊商貿易が交差するサマルカンドの市場は、これらに加えて中国の絹やインドの香辛料、シベリアの毛皮などが売買される一大国際交易場となっていた。四重の城壁に囲まれ、およそ50万の人口を擁したというサマルカンドは、オアシス地帯最大の都市として長く繁栄し、13世紀にモンゴルの攻撃によっていったん壊滅的な打撃をうけたが、14世紀にティムールによって再建され、その帝国の首都として再び繁栄を取り戻した。

詳説世界史研究

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