ハルシャ・ヴァルダナ
606〜647年頃のハルシャ・ヴァルダナのコイン Wikipedia

ハルシャ・ヴァルダナ


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ハルシャ・ヴァルダナ (戒日王) ( A.D.590〜A.D.647)
ヴァルダナ朝創始者(在位606年 - 647年)。グプタ朝の崩壊後、分裂していた北インドを再統一、都をカニヤークプジャ(カナウジ)におき、諸王侯のうえに君臨するという封建的体制を採用し統治した。ヒンドゥー教・仏教を保護し、文芸・学問を奨励、みずからもサンスクリット語のすぐれた戯曲や詩を書いた。ナーランダー僧院で仏教を学んだ中国僧の玄奘げんじょうを厚遇し、旅行記『大唐西域記』に国内の平和と繁栄の模様が記されている。ハルシャと太宗(唐)との間には使節の交換がおこなわれた。

ハルシャ・ヴァルダナ

ヴァルダナ朝を創始した文人王

ヴァルダナ朝の創始者。グプタ朝滅亡後、分裂していた北インドを最後に統一。ヒンドゥー教から仏教に帰依した。文芸を奨励し、自身も戯曲を著す。

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玄奘の支援者

北インドのヴァルダナ朝の王。勇敢な武将かつ文芸の愛好者でもあった。ヒンドゥー教でありながら、仏教にも惜しみない援助を与え、玄奘げんじょうも厚く遇した。

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アジア・アメリカの古代文明

アジア・アメリカの古代文明
アジア・アメリカの古代文明 ©世界の歴史まっぷ

インドの古代文明

諸王国の抗争

グプタ朝の崩壊後、分裂していた北インドを再び統一したのはハルシャ・ヴァルダナ戒日王かいにちおう)である。彼は都をカニヤークプジャ(カナウジ)におき、諸王侯のうえに君臨するという封建的体制を採用してたくみに統治した(ヴァルダナ朝)。しかしこの王国は短命で、ハルシャの死とともに崩壊した。ハルシャはヒンドゥー教・仏教の熱心な保護者としても知られる。また文芸・学問を奨励し、みずからもサンスクリット語のすぐれた戯曲や詩を書いている。この王の治世にナーランダー僧院で仏教を学んだ中国僧の玄奘げんじょうは、王に招かれ厚遇を受けた。その旅行記『大唐西域記』には、国内の平和と繁栄の模様が記されている。ハルシャと太宗(唐)との間には使節の交換がおこなわれ、唐朝からは王玄策おうげんさくが派遣された。

ヴァルダナ朝 ヴァルダナ朝地図 諸王国の抗争
ヴァルダナ朝地図 ©世界の歴史まっぷ

諸王国の抗争 – 世界の歴史まっぷ

諸地域世界の交流

東西文物の交流

人物の往来
玄奘のインド旅行
玄奘三蔵
玄奘三蔵像 (東京国立博物館蔵/鎌倉時代重文) ©Public Domain

玄奘げんじょうは、唐初に陸路によってインドに赴いた僧侶で、彼の口述による『大唐西域記』は、旅行記として当時の西域やインドの様子を知るために重要なものである。また彼は、後世『西遊記』の三蔵法師として庶民にも親しまれることとなった。
彼の青春時代は、隋から唐への混乱時代で、社会不安を背景に、仏教教理の研究が盛んであった。仏教教理の中でも特に難解な唯識ゆいしきの教理を探求していた彼は、直接サンスクリット経典を研究することを思い立った。
唐ははじめ、対外関係上、外国への旅行を禁じていたので、国禁を犯しての出国となった(629)。彼のとったルートは玉門関ぎょくもんかんから天山北路をとり、高昌こうしょう(トゥルファン)を経て、西突厥の援助などを受けながら、サマルカンドを経てアフガニスタン、西北インドへと進んだ。当時のインドは、ハルシャ・ヴァルダナ(在位:606〜647)の治世で、北インドではグプタ朝以来しばらくぶりの平安な時代であった。ハルシャ・ヴァルダナは仏教を保護したので、インド仏教の最後の繁栄の時代でもあった。しかし、かつての仏教の聖地ガンダーラはすでに荒廃しており、ガンジス川中流域(ビハール州南部)のナーランダーを訪れて、5年間勉学に没頭した。ハルシャ・ヴァルダナの援助も受けて、多数の経典や仏像を携えて帰国の途についた。
帰路に高昌(トゥルファン)が滅亡した(640)ことを知り、天山南路から于闐うてん(コータン)を通り、645年に帰国した。
すでに唐の治世は安定し、積極的に対外進出を目指そうという時代であり、玄奘は、仏教保護の国策と相まって太宗(唐)の保護を受けて、国家的事業というべき翻訳事業に着手した。彼の居住した大慈恩寺にはインドから持ち帰った啓典を収めるために塔が建てられた。これが現代まで残っている大雁塔だいがんとうであり、西安のシンボルともなっている。

大唐西域記

『大唐西域記』12巻は、インドへの旅行に際しての見聞により、中央アジア、インド、西アジアの約140国について国別に記した旅行記。土地の方位、里程、歴史や伝説も記し、原語を精密に漢字で表現しており、この地域のことを知るためには重要な文献である。

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