バイユーのタペストリー ヘイスティングズの戦い
バイユーのタペストリーに描かれた、ヘイスティングズの戦いにおけるハロルド2世の死 ©Public Domain

バイユーのタペストリー


バイユーのタペストリー
1066年のノルマン・コンクエスト(ノルマンディー公兼イングランド王ウィリアム1世によるイングランド征服)の物語の刺繍画。ヘイスティングズの戦いのくだりまでが現存している。11世紀のフランスとイングランドにかかわる歴史的遺物であり、また当時の服装や武器、軍船、戦闘方法などを伝える貴重な史料でもある。ユネスコの「世界の記憶」に登録されている。

バイユーのタペストリー

バイユーのタペストリー 現存する全編

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Teppich_von_Bayeux.jpg

長辺約70m(現存63.6m)、短辺約0.5mの亜麻(リネン)製の布に、毛糸で刺繍が施されている。 ©Public Domain

変遷

以前はウィリアム1世の王妃マティルダが征服を記念して寄進したものとされ、「王妃マティルダのタペストリー」と呼ばれていたが、近年の研究ではウィリアム1世の異父弟であったバイユー司教のオドン(バイユー司教オド)が作らせたものと考えられている。理由としては、オドンを含む3人の司教がタペストリーに描かれていることと、オドン司教が建立したバイユー大聖堂に、当初からタペストリーが飾られていたと考えられるからである。

その後、18世紀までタペストリーの存在は忘れ去られており、フランス革命時には武器箱の覆いに使用されていたのを地元の弁護士が気づき、危うく喪失を免れている。
1803年にナポレオンがパリに持ち帰ったが、これはイギリス侵攻の参考にするためであったという。その後、バイユーに戻されたが、第二次世界大戦中にはドイツ軍が接収。戦後、フランスに戻り、ルーブル美術館の地下に保管されていた。現在ではバイユー・タペストリー美術館に保管・展示されている。

タペストリーに描かれているもの

タペストリーは全部で58場面で構成されており、図柄には、人物623人、馬(軍馬など)202頭、犬(猟犬など)55頭、樹木49本、荷車1両、船41艘、鳥獣などさまざまな生物500匹以上。各場面にはラテン語の文章が添えられている。

勝者の記念物

タペストリーに描かれた物語は全て、ノルマン・コンクエストの勝利者たるノルマンディー公ギヨーム2世(ウィリアム1世、征服王)の主張に基づいた内容である。それは、エドワード懺悔王がギヨーム2世を後継者とすべくハロルド・ゴドウィンソン(ハロルド2世)を使者として送るところから始まり、ヘイスティングズの戦いにおけるハロルド2世の戦死と敗残兵追撃の場面で終わっている。

タペストリーは最後の2場面が失われており、幕引きの部分を見ることはできない。約6.4m(約7yd)はあったとされるこの欠損部分はバイユーのタペストリーを巡る謎の一つとなっているが、歴史的経緯からの推測で、ウィリアム1世の戴冠式の様子が描かれていたに違いないと考えられている。

不吉なる火の星

また、ハロルド2世がイングランド王に即位して間も無い頃に、不吉な「火の星」、すなわち大きな彗星の出現があったことも描き込まれている。1066年3月に現れて時の王とその配下たちを怯えさせたこの天体が、近現代の科学で言うハレー彗星であったことが18世紀に判明した。

Wikipediaより

バイユー・タペストリー美術館

La Tapisserie de Bayeux

Adresse
13 bis rue de Nesmond
14400 Bayeux – France

Téléphone
33 (0)2 31 51 25 50

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