ボルジギン氏
The Ilkhan handing out rewards. Illustration of Rashid-ad-Din’s Gami’ at-tawarih. Tabriz (?), 1st quarter of 14th century. Water colours on paper. Original size: 17.7 cm x 26.3 cm. Staatsbibliothek Berlin, Orientabteilung, Diez A fol. 70, p. 47. Valuable belts are handed out as rewards. ©Public Domain
Previous Post

Next Post

ボルジギン氏 (12世紀頃〜現在)
モンゴル帝国のカアン(ハーン)の家系となったモンゴル部の中心氏族。モンゴル帝国、元の国姓である。
12世紀頃、モンゴル高原北東部において一大勢力を築いたモンゴル部の有力氏族で、ボドンチャルという人物を始祖とする男系の子孫たちからなる。この氏族は史上初めて全モンゴル部族を支配したとされるカブル・カンを出して以来、モンゴル部のカン(王)を独占した。そして13世紀にモンゴルのチンギス=ハンがモンゴル高原の全遊牧部族を統一してモンゴル帝国を興してから後はモンゴル高原で最も高貴な氏族とみなされるに至る。チンギス=ハンの男系子孫は現在まで連綿と続いているため、現在のモンゴル国や中華人民共和国においても氏族の名は残っている。

ボルジギン氏

モンゴル帝国以降のボルジギン氏

モンゴル帝国のもとでは、チンギス=ハンとその3人の同母弟ジョチ・カサル、カチウン、テムゲ・オッチギンの子孫は「黄金の氏族(アルタン・ウルク)」と称され、一般の遊牧民や遊牧貴族の上に君臨する君主の血筋とみなされるようになった。そしてチンギス兄弟以外のキヤト氏族の人々と「黄金の氏族」を区別するため、彼らは単に「ボルジギン」を氏族名として称した。ここに、かつてはボドンチャルの子孫全体の氏族名であったボルジギンは、モンゴル帝国のカアン(ハーン、皇帝)家に固有の氏族名として使われ始める。

チンギス=ハンの築いたモンゴル帝国は、中国からロシア、中東にまで勢力を拡大し、世界史上空前の大帝国に成長した。このためボルジギン氏の子孫たちは帝国の最高君主であるカアン(ハーン)位を継承した元朝を始め、チャガタイ・ウルス、ジョチ・ウルス、フレグ・ウルス(イルハン朝)など大小さまざまな王国を形成し、その王家として栄えた。

これらの諸政権は14世紀には次第に衰退して解体したり再編されたりしたが、その後もモンゴル帝国の旧支配地では、ボルジギン氏であるチンギス=ハンの男系子孫しかカアン(ハーン)になれないという慣習が根強く残った。これをチンギス統原理という。

モンゴル高原では、元が明に追われて高原に退いた後、ボルジギン氏の王家は一時的に衰退したが、16世紀初頭にチンギス=ハンの末裔ダヤン・ハーンがモンゴル高原を再統一することによって息を吹き返す。その後のモンゴルではダヤン・ハーンの子孫たちが分家を繰り返しつつ各部族を支配する王侯として定着し、17世紀以降の清の支配のもとでも彼らはその地位を保ち、ボルジギン氏は孝荘文皇后などを通じて皇帝と血の繋がりもできた。

20世紀においても、ボルジギン氏はデムチュクドンロブ(徳王)、ダリジャヤ(達王)など、政治的に重要な役割を果たした人物を輩出している。

ボルジギン氏系図

ボルジギン氏

歴代皇帝

モンゴル帝国・元朝・北元の皇帝一覧

歴代廟号在位備考
モンゴル帝国皇帝
1太祖チンギス・カン1206年 - 1227年イェスゲイの長男
2太宗オゴデイ1229年 - 1241年チンギスの次男
3定宗グユク1246年 - 1248年オゴデイの長男
4憲宗モンケ1251年 - 1259年トルイの長男
5アリクブケ1259年 - 1264年トルイの六男
6世祖フビライ1260年 - 1271年トルイの四男
元朝皇帝
1世祖フビライ1271年 - 1294年
2成宗テムル1294年 - 1307年フビライの次男チンキムの三男
3武宗カイシャン1307年 - 1311年チンキムの次男ダルマバラの長男
4仁宗アユルバルワダ1311年 - 1320年ダルマバラの次男
5英宗シデバラ1320年 - 1323年アユルバルワダの長男
6泰定帝イェスン・テムル1323年 - 1328年チンキムの子カマラの長男
7天順帝アリギバ1328年イェスン・テムルの長男
8文宗トク・テムル1328年 - 1329年カイシャンの次男
9明宗コシラ1329年カイシャンの長男
10文宗トク・テムル1329年 - 1332年復位
11寧宗イリンジバル1332年コシラの次男
12恵宗トゴン・テムル1333年 - 1368年コシラの長男
北元皇帝(フビライ家)
1恵宗トゴン・テムル1368年 - 1370年
2昭宗アユルシリダラ1370年 - 1378年トゴン・テムルの子
3天元帝トグス・テムル1378年 - 1388年アユルシリダラの弟

Wikipediaより

ボルジギン氏が登場する作品

フビライ・ハン

ボルジキン氏
フビライ・ハン ©)Beijing Sunshine Sheng Tong Culture and Arts Co. Ltd.

フビライ・ハン(ドラマ) あらすじと登場する歴史上の人物 – 世界の歴史まっぷ

フビライ・ハン第1話【無料】 動画 | 台湾ドラマ:楽天SHOWTIME(ショウタイム)

ボルジギン氏は「黄金家族」として登場する。

広告
Previous Post

Next Post