ノルウェー王国
ノルウェー王国 ©世界の歴史まっぷ

ノルウェー王国


ノルウェー王国 A.D.872〜A.D.1319
北欧諸国の一つでスカンジナヴィア半島西岸に位置するノルマン人が建国した国。ハーラル1世が最初の統一王とされる。14世紀からデンマーク、1814年からはスウェーデンとの同君同盟とされて実質的な支配を受け続け、20世紀初頭に独立した。

  • 872年 ハラール1世がノルウェーを統一 (ホールファグレ朝 865年頃〜970年または1387年)
  • 1016年 クヌート1世(イングランド王)がイングランド・デンマーク・ノルウェー3国の王に就き同君連合成立。北海帝国。
  • 1397年 カルマル同盟

ノルウェー王国

西ヨーロッパ世界の成立

ヴァイキングの活動

カール大帝の出現により、ゲルマン人大移動以来の混乱に終止符が打たれた西ヨーロッパを、再び動揺の渦に巻き込んだのが9〜11世紀の第2次民族大移動であり、その中心をなしたのがマジャル人ヴァイキングであった。
ヴァイキングはノルマン人(「北方の人」の意味)とも称されるように、スカンディナビア半島やユトランド半島を現住地とした北方ゲルマンを指しており、ノース人(ノルウェー)・デーン人(デンマーク)・スウェード人(スウェーデン)の3部族からなっていた。
氷河に削り取られた痩せ地は農業に向かず、狩猟・牧畜・漁業などで生計を立てるほか、早くから他地域との交易に乗り出した。フィヨルド海岸の奥深くの入江集落は、同時に市場の役割も果たしたのである。
ヴァイキングの活動は9世紀以降爆発的に拡大し、活動の内容は主として商業・植民(移住)・略奪・征服からなっていたが、拡大の方向は3つの部族により異なっていた。

ノース人(ノルウェー)

ノース人の活動は、主としてアイルランドを中心とするブリテン諸島に向けられ、9世紀後半には先住民のいないアイスランドに永住的な植民を開始した。また、コロンブスより5世紀も早く北アメリカの海岸に到達し(1000年頃)、ニューファンドランド植民を試みている。

西ヨーロッパ中世世界の変容

北ヨーロッパ

デンマーク・スゥエーデン・ノルウェーの北欧3国は、ヴァイキング時代を通じてキリスト教(カトリック)化し、部族統合も進んで国家としての形態を整えていった。11世紀の初めから14世紀の初めにかけて、国内では王・貴族・聖職者の争いが絶えず、外部からは神聖ローマ帝国の皇帝や諸侯、さらにはハンザ同盟の諸都市の圧迫を受け、動揺した。
また、アジア系フィン人の国フィンランドは、13世紀以来スウェーデンに統合されカトリック化が進んだが、当方からギリシア正教を報ずるノヴゴロド国に攻撃され、14世紀前半カレリア地方の東半分を割譲した。

14世紀半ば、デンマークはファルデマール4世の時代に国内の混乱を平定し、政情は安定した。ノルウェー王に嫁した王女マルグレーテ1世(1353〜1412)は、父王と夫王がなくなるとデンマーク・ノルウェー両国の実権を掌握(1380)、さらにスウェーデン貴族の要請でスウェーデン王を追放し、3国を連合した。そして1397年デンマーク国境に近いスウェーデンの町カルマルに3国の貴族らを集め、自らの血を引くポンメルンのエリク7世を共同の国王に推戴することを承認させた。この連合はカルマル同盟と呼ばれ、デンマークの主導する連合王国の成立を意味した。
15世紀以降スウェーデンの独立気運が強まり、1523年グスタフ1世(スウェーデン王)によるスウェーデンの独立で連合は解消されたが、デンマーク・ノルウェーの同君連合は1814年まで続いた。

歴代国王

ホールファグレ朝

  • ハーラル1世(ノルウェー王) (美髪王、872年-933年)ノルウェー最初の統一王。
  • エイリーク1世(ノルウェー王) (血斧王、930年-934年)ノルウェー・ノーサンブリア王。
  • ホーコン1世(ノルウェー王) (善王、934年-961年)
  • ハーラル2世(ノルウェー王) (灰衣王、961年-976年)
  • ホーコン・シグルツソン (デンマークの臣下だが事実上の君主、976年-995年)
  • オーラヴ1世(ノルウェー王) (995年-1000年)

イェリング朝

  • スヴェン1世(デンマーク王) (双叉髭王、999年-1015年)デンマーク・ノルウェー・イングランド王

ホールファグレ朝

  • オーラヴ2世(ノルウェー王) (聖王、1015年-1028年)

イェリング朝

  • クヌート1世(イングランド王) (大王、1030年-1035年)イングランド・デンマーク・ノルウェー3国の王。同君連合成立(北海帝国)。

ホールファグレ朝

  • マグヌス1世(ノルウェー王) (善王、1035年-1047年)ノルウェー・デンマーク王。

ホールファグレ朝(シュル家)

  • ハーラル3世(ノルウェー王) (苛烈王、1046年-1066年) スタンフォード・ブリッジの戦いで戦死
  • マグヌス2世 (1066年-1069年)
  • オーラヴ3世 (平和王、平静王、1066年-1093年《1069年まで兄マグヌスと共同統治》)
  • ホーコン・マグヌソン (1093年-1094年)
  • マグヌス3世 (裸足王、1093年-1103年《1094年まで従兄ホーコンと共同統治》)
  • オーラヴ・マグヌソン (1103年-1115年)
  • エイステイン1世 (1103年-1123年)
  • シグル1世 (1110年-1130年《オーラヴ、エイステイン、シグルは生きている限り共同統治》)
  • マグヌス4世 (盲目王、1130年-1135年)
  • ハーラル4世 (1130年-1136年)
  • シグル2世 (1136年-1155年)
  • エイステイン2世 (1136年-1157年)
  • インゲ1世 (1136年-1161年)
  • ホーコン2世 (肩広王、1159年-1162年)
  • マグヌス5世(ノルウェー王) (1161年-1184年)
  • スヴェレ・シグルツソン (1177年-1202年)
  • ホーコン3世(ノルウェー王) (1202年-1204年)
  • グットルム・シグルツソン (1204年)
  • インゲ2世 (1204年-1217年)
  • ホーコン4世(ノルウェー王) (1217年-1263年)
  • マグヌス6世(ノルウェー王) (改法王、1257年-1280年《父ホーコンの存命中は共同統治》)
  • エイリーク2世(ノルウェー王) (1280年-1299年)
  • ホーコン5世(ノルウェー王) (1299年-1319年)
広告