ジョージ=カニング
ジョージ=カニング(ナショナル ポートレート ギャラリー蔵/WIKIMEDIA COMMONS)©Public Domain

ジョージ=カニング


ジョージ=カニング George Canning( A.D.1770〜A.D.1827)

イギリスの政治家。ラテンアメリカの独立運動の際、ラテンアメリカを産業資本の市場として確保しようと、四国同盟とは一線を画し、自国の経済的利益を優先する方針をとり、自由主義外交を展開して干渉を牽制した。ギリシア独立戦争では、独立を支援しロシア・イギリス・フランスの同盟を仲介し、三国艦隊によるナヴァリノの海戦が勝利に終わったことは、ギリシアの独立を確実なものとした。

ジョージ=カニング

イギリスの政治家。1793~1827年下院議員。小ピットの政策を支持、1796~99年外務次官。1807~09年ポートランド公内閣の外相。16~21年リバプール伯内閣のインド監督局総裁。カスルレー(子)のあとをうけて再度外相(1822~27)となり、神聖同盟の反動的な動きから離れた外交政策を展開。ラテンアメリカ諸国の民族主義運動には不干渉策をとり、23年旧スペイン領諸国の独立を承認。ギリシアのトルコに対する抵抗やポルトガルの民主派の活動など、ヨーロッパ内の自由主義的な動きを支援した。内政では自由貿易支持、W.ハスキソンと協力して穀物法の緩和に努力。議会改革には反対したが、自由主義的な彼の政治姿勢はホイッグ党からも支持を得た。27年4月首相。まもなく病没。

参考 ブリタニカ国際大百科事典

欧米における近代国民国家の発展

ウィーン体制

ラテンアメリカの独立

メッテルニヒはラテンアメリカの独立運動がヨーロッパのナショナリズムを刺激することを恐れて干渉したが、ラテンアメリカを産業資本の市場として確保しようとしたイギリスは、外相G.カニング Canning (1770〜1827)が四国同盟(フランス加盟後は五国同盟)とは一線を画し、自国の経済的利益を優先する方針をとり、自由主義外交を展開して干渉を牽制した。

ギリシア独立戦争

オスマン帝国はエジプトの協力をえて、キオス島の残虐事件など徹底的な力による弾圧をおこなった。これに対してロシア・イギリス・フランスはギリシアの独立運動支援にまわり、カニングの仲介によって同盟を結成した。1827年の英・仏・露の三国艦隊によるナヴァリノの海戦 Navarino が勝利に終わったことは、ギリシアの独立を確実なものとした。

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